エコドライブで世界は変えられる!
私はそう信じています。
なぜなら、エコドライブに出会って私の世界は変わったからです。
そんな私のお話です。
陸上部ではインターハイには行けず関東大会止まり、バンド活動は趣味止まり、大学にも行かずぶらぶら夜のドライブ。
なんでも中途半端で、なんの取り柄もなかった私。
そんな私がエコドライブに出会って、人生が、世界が変わりました。
これまでは出会えなかったような人たちとのご縁をいただいたり、想像もしていなかったような体験や仕事をさせてもらうことができました。
私の社会人経験はトラックドライバーとしてスタートしました。
7年間の勤務の間にエコドライブというものを知りました。
当時の私は自動車の運転が好きで、環境問題にも関心があったものの、運転で環境問題の解決に貢献できることなど知りもしませんでした。
しかし、たばこのポイ捨てをする大人を注意したり、友人にごみの分別をうながしたり、たばこの煙で白く霞んだ”たまり場”の換気役を買ってでていたこともあり、周りからは「環境大臣!」などとちゃかされていました。
そんな中、勤務する運送会社から全日本トラック協会の発行する小冊子を渡されました。
特に説明を受けたわけでもなく、ただ渡されたその冊子を仕事の合間にペラペラとめくっていると、そこには今でいう「エコドライブ」のいくつかのテクニックが書かれていました。
運転が好きでカー雑誌を愛読し、ローンで買ったスポーツカーをチューンナップしていましたから、車にはそこそこ詳しいと思っていましたが、その冊子には私の知らないことがたくさん書かれていました。
その時、車好きと環境問題への関心が見事に交わり、私はエコドライブに目覚めました。
小冊子に書かれていたことの一つは、走行中にアクセルから足をはなすと燃料を消費しなくなるということでした。いわるゆ「早めのアクセルオフ」のことです。
それからというもの、徐々にエコドライブのテクニックを仕事でもプライベートでも試すようになっていきました。
しばらくして、あるときふと気づきました。
いままで、時間に追われるようにトラックを走らせていたのに、エコドライブをやることで心にゆとりが生まれ、落ち着いた運転になっていたのです。
運転中にヒヤリ、ハットすることもほぼ無くなりました。
私は、このエコドライブを自分だけでやるのはもったいない。もっと多くの人に広めていきたい!と思うようになりました。
そこで考えたのが自動車教習所です。
一から免許を取る、いわゆる教習生にエコドライブを教えることができれば、もっと世の中にエコドライブを広められるのではないかと思いました。
そのことを思い立つ以前から、毎日のように運転免許センターに通ってコースや運転を研究し、何度も免許試験にチャレンジした時期があり、運転免許と道路交通法にも関心を持つようになっていました。
また元々、人に何かを教えるのが好きだったこともあり、免許に関わり、人にエコドライブを教えられるという教習指導員を目指すことにしました。
私は、教習生を通じてエコドライブを世の中に広めたいという想いを面接で話し、自動車教習所に入社しました。
それから半年後、思いも寄らぬことが起こりました。
私のやりたいと思っていた「教習生にエコドライブを教える」というプログラムを会社が極秘に開発を進めていて、私が教習指導員としてデビューするのとほぼ同時にスタートしたのです。
まさか、私がやりたいと思っていたことを同時に会社がやろうとしていたとは何かの運命ではないかと思いました。
私はますますエコドライブにハマっていきました。
国家資格である教習指導員資格の取得後には技能教習、学科教習、企業研修などを担当しました。
その後は、ハイブリッドカー向けのエコドライブプログラムの開発を任され、当初のエコドライブプログラム開発責任者の先輩や、自動車ジャーナリスト協会の現会長である菰田潔氏などに指導を受けながらプログラムを完成させました。
後に日経新聞の記者さんの取材で、自ら開発したこのハイブリッドカー講習を担当することになりましたが、3代目プリウスを使った講習で燃費22.5km/lから35.3km/lへ57%改善という結果も出ました。
そして広報担当になり、いよいよ社会に対してさらなるエコドライブの情報発信を行える立場になりました。
エコドライブを世に広めたいという思いが、私をこの立場にしてくれました。
広報の間には、前出の日経(プラスワン)や、NHK、政府インターネットテレビなどに出演し、エコドライブの情報発信を行ってきました。
また、環境大臣賞や文部科学大臣賞の受賞に関わる仕事もさせてもらいました。
他にも、小学校を含めた様々な場所での啓発活動を行うご縁をたくさん頂いてきました。
極めつけは、冒頭の写真にもある、国連エコドライブ名古屋カンファレンスにて発言の機会を頂けたことです。私も所属する早大モビリティ研究会のエコドライブと燃費改善分科会でもお世話になっている早稲田大学の大聖泰弘教授からのご指名でした。この公式報告書には私の名前入りで発言要旨が掲載されていて、とてもうれしく、とても自信になりました。
このエコドライブに関する日々の研究と鍛錬の成果を試す場として、鈴鹿サーキット国際レーシングコースで行われている全日本エコドライブチャンピオンシップという大会への出場機会が与えられました。
これまで、チームメンバーとして4年連続で出場し、4回とも表彰台に上ることができました。
一番の成果は、全国から60チームが出場する中、元F1レーサーの片山右京さんを破って総合優勝し日本一になったことです。
嬉しかったこともありますが、何よりエコドライブを教えている立場として、ほっとした部分が大きかったです。
その後、広報に関する業務を後進に任せその立場を離れ、教習所を管理する役職をさせてもらっているときに、エコドライブをもっともっと広めていきたいという私の気持ちは大きくなっていきました。
そして会社の理解を得て、エコドライブ研究所をはじめることになりました。
2016年11月29日火曜日、ニューヨークにある国連本部のカンファレンスルーム6にて国連エコドライブカンファレンスが開かれました。
そこで紹介された「エコドライブ宣言」の中には、私が感じてきたエコドライブの可能性が、そのまま書かれていました。
このエコドライブの可能性を少しでも多くの人に実感してもらうために私は「低炭素で快適な移動のお手伝い」を行っていきます。
そして、これまでの経験と関係する方々とのご縁を大切に、エコドライブの普及を通じて「持続可能な社会づくり」に取り組んでいきたいと思います。
さぁ一緒に世界を変えましょう!
エコドライブで!