エコドライブのレースはスピードを競う?

全日本エコドライブチャンピオンシップ2018

 

 

 

昨日、自動車レースの聖地、鈴鹿サーキットで開かれた

エコドライブの技術を競うレース

全日本エコドライブチャンピオンシップ2018に行ってきました。

 

 

あなたは、エコドライブを競うレースってどんなレースだと思いますか?

 

 

私も昨年まで4回このレースに参加していましたが、

今回は、選手としてではなく観客として三重県まで行ってきました。

 

総合優勝したのは、

一般の部で出場した社会人チームの東ト協練馬支部GEPチーム。

学生の部では

昨年の総合優勝チームである慶應大学が第1位となりました。

 

全日本エコドライブチャンピオンシップ2018開会式
開会式であいさつをする笹川博義環境大臣政務官

 

この大会はエコドライブのレースということで、

F1レースなどでは時速300キロという猛スピードで走る国際レーシングコースを

ゆっくり、ノロノロ、慎重に走って燃費を競うというレース・・・

 

ではありません。

 

それでは何を競っているのでしょうか?

 

 

この大会の競技長であり、

全日本学生自動車連盟理事の吉木達嗣さんは、

こう言っていました。

「ゆっくり走るエコドライブは現実的じゃない」

 

私もその通りだと思います。

むしろ、ゆっくり走ることはエコドライブではないと思います。

 

なぜなら、サスティナブル(持続可能)ではないからです。

 

エコドライブと言うと

・何か窮屈で

・我慢と忍耐の必要な

・ストレスのたまる

・そして周囲に迷惑のかかる

そんな運転だと思っている方が多くいます。

 

その理由は、

ノロノロ走ることがエコドライブだという

間違った認識が広まってしまっているからです。

 

これが本当のことだとしたら、

継続することは難しいですよね。

つまりサスティナブルではなくなってしまうわけです。

 

しかし、それらは全くの誤解です。

このブログでも何度もお伝えしているように

エコドライブとは、

運転に心のゆとりをもたらすものです。

 

ストレスがたまるというよりむしろ

ストレスから解放される運転。

ノロノロというよりも

むしろスムーズな運転。

それがエコドライブです。

 

この大会は、

それを形にしたレースとも言えます。

 

 

競技の概要はこんな感じです。

 

 

全国から学生の部、一般の部、合わせて60チームが出場。

1チームが3車種のエコカーでレースを行います。

そして、その3レースの総合ポイントで勝敗を決します。

 

全日本エコドライブチャンピオンシップ2018パレードラン
スタートライン前に競技車両の日産リーフ、ホンダフィット、トヨタアクアが並ぶ

 

 

獲得するポイントは2種類。

・燃費ポイント

・タイムポイント

 

具体的には60チームの中で最も燃費の良かったチームに200ポイント。

2位が192ポイント、

3位が184ポイントと、

順位が下がるごとにポイントが下がっていきます。

 

同様にタイムの最も早かったチームに100ポイント、

2位が96ポイント、

3位が92ポイント

・・・60位が0ポイントとなります。

 

つまり、最も速く、最も燃費の良い運転ができれば

300ポイントということになります。

それを3レース行うので、

最高で900ポイントを獲得できます。

 

しかし、そんなことは無理です。

なぜなら、今回出場した元F1レーサーの片山右京さんや

現役のGTレーサーである柳田真孝選手、坪井翔選手でも

できなかったわけですから。

 

全日本エコドライブチャンピオンシップ2018トークショー
左から3番目が片山右京さん、5番目が柳田真孝選手、一番右が坪井翔選手(レース後のトークショー)

 

 

 

燃費で上位を狙えば、当然タイムの順位は下がるし、

タイムを狙えば燃費は下がる。

 

ここのトレードオフの関係はやむを得ない中で、

燃費とタイムのバランスをどう取るかが

各チームの戦略となるわけです。

 

 

つまり遅く走ればいいわけでしょ?

 

そういうわけではありません。

先ほど述べた、ノロノロ運転はエコドライブではない

というのもそうですが、

 

そもそも、このレースのルールとして、

1周5.807kmの国際レーシングコースを

5分以内で走らなければなりません。

平均すると時速はおおむね70キロ。

しかしヘアピンカーブなどの急なコーナーでは

速度を落とさなければ曲がれず、

その分、直線では時速100キロ程度は出すことになります。

そんな高速走行の中で

燃費を考えた運転操作をしなければいけないのです。

 

 

ですから、このレースで勝つ為には

付け焼き刃のエコドライブでは無理です。

 

なぜなら、

エコドライブに必要なアクセルやブレーキ操作の他に

コース幅のどこを走ればロスが少ないか

というライン取りを考えたり

そのための丁寧なハンドル操作

そして何より、

規定の時間内で周回を重ねるという

タイムコントロールが必要になるからです。

 

つまり、普段からアクセルやブレーキの操作を意識し

エコドライブに取り組んでいないと

他のことに気を取られていっぱいいっぱいになり、

エコドライブの主な技術であるアクセルやブレーキの

操作どころではなくなってしまうわけです。

 

ただでさえ一般道路では、それほど意識することのない

ライン取りとハンドル操作、

そして秒単位のタイムを考えながら走らなければいけないわけですから。

 

 

実際に今回、総合優勝したチームと一般の部2位になったチームは

どちらも東京都トラック協会から出場したチームで、

グリーンエコプロジェクトという業界を挙げて行なっている

エコドライブ活動に普段から取り組んでいるチームなのです。

 

昨年まで4年連続で表彰台に上がっていた

自動車教習所ファインモータースクールも

普段から教習生にエコドライブを教えているという

エコドライブに精通したインストラクターのチームです。

 

 

このレースで分かることは、

・エコドライブはノロノロ走ることではない

・エコドライブは一発の良い燃費を目指してできることではない

つまり、継続しやすく、そして継続することが大切なことである

ということではないでしょうか。

 

明日やろうはバカ野郎

という言葉があります。

 

すぐに完璧にできるものではありません。

今日の一歩、そして明日の一歩が

あなたの心のゆとりにつながり

ひいては、あなたの健康につながるのです。

 

 

国連のエコドライブ宣言にもこう書かれています。

 

エコドライブの使命7番目

エコドライブは、いつでもどこでも誰にでも実践できる取組みです。

(中略)

その変化はゆとりの気持ちをもたらし、ストレスを軽減します。

その結果、どのような状況でも落ち着いて対応できるドライバーになるのです。

 

エコドライブ宣言について詳しくはこちら

↓ ↓ ↓

国連エコドライブ宣言(全文・日本語)

 

 

簡単にできて

健康につながる。

 

最高じゃないですか。

 

あなたがもし、まだエコドライブに取り組まれていないのであれば、

この記事を読んだいまから

正しいエコドライブを始めてみてください。

 

“Never too late”

何をするにも遅すぎるということはありません。

しかし、明日やろうはバカ野郎です。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。